労働法の学習・勉強に

第22話 労働紛争を解決するには

 

いよいよ、終わりも近づいてきました。

 

労働法を教えるサイトなので、ここまでアカデミックな内容が多かったと思います。

 

最後だけは趣向が変わり、実学的と言いますか、
すぐに役に立ちそうな内容(今までの内容が役に立たないわけではありません)になります。

 

それでは見ていきましょう。

 

 

 

職場において、「何かおかしい!」という事態に直面したとき、
あなたはどういった行動をとればよいのでしょう?

 

一番身近なのは、「総合労働相談コーナー」でしょう。

 

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html

 

「労働条件、募集・採用、いじめなど、労働問題に関するあらゆる分野についての労働者、事業主からの相談を、専門の相談員が、面談あるいは電話で受け付けて」くれるところです。

 

トラブルの内容によっては、他の機関を紹介してくれます。

 

都道府県労働局や労働基準監督署(労基署)などに設置されています。

 

それから今出てきました、労基署があります。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/location.html

 

労基署は、賃金、労働時間、労働安全衛生など、
主に労基法で定められた労働条件が守られているか監視する行政機関です。

 

続いて、労働局雇用均等室があります。

 

http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/roudoukyoku/

 

職場での性別による差別、会社でのセクシュアルハラスメント対策、女性労働者の妊娠・出産前後の健康管理対策、育児・介護休業法、パートタイム労働者の均等・均衡待遇や正社員転換推進などについて取り扱っています。

 

それから、各都道府県にも労働相談窓口があります。

 

以上は、一人で行政機関を利用する場合でした。

 

次に、法律家の力を借りるという手があります。

 

弁護士に頼むなんて敷居が高い…と思うかもしれません。

 

そもそも「どこに行けばいいの?」「何をすればいいの?」と不安になると思います。

 

そんなときは、日本司法センター(法テラス)という相談窓口を利用しましょう。

 

http://www.houterasu.or.jp/index.html

 

無料で相談を受け付けてくれるところですので、知っていると安心です。

 

それから、裁判所や労働委員会があります。

 

といっても、これらの機関を使うころには、紛争が激化してしまっているかもしれません。

 

とくに訴訟に至ると、時間やお金がかかります。

 

そこで、訴訟に至る前に簡易な手続きで紛争の解決を図る「労働審判制度」が用意されています。

 

専門家の意見を聞いてから、利用を検討しましょう。

 

 

 

以上、知っておきたい紛争解決の手段についてご紹介しました。

 

私たちの生きる社会では、労働問題をめぐってあらゆる紛争が想定されます。

 

特に最近は、労働法に関係するニュースを見ない日はありません。

 

日本人は元来、トラブル(が表面化すること)を嫌う民族です。

 

宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』にこんな一節があります。

 

北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
(北にけんかや訴訟があればつまらないから止めろと言い)

 

「訴訟」をすること自体が悪だという考えは、古くから日本人に染みついた慣習のようなものでしょう。

 

法律に基づいた正当な権利主張は、
何も間違っていませんし、何も悪いことではありません。

 

「訴訟」を起こすこと自体も、
良いこと、悪いこと、という考え方からは離して考えるべきです。

 

そうはいっても、
トラブルになれば互いの感情が介入するものですし、
完全に理性的な解決ができるならば「訴訟」にはなっていないはずです。

 

労働法は、使用者と労働者のバランスをとる学問でした。

 

働く場面に登場するすべての者にとって、公平で、公正なルールとなるように。

 

トラブルになってしまっても、両者にとって最大限の納得が得られるように。

 

労働法は、そんな理想を追い求め、発展してきたのです。

 

多くの人が労働法を知り、労働法を理解することによって、
少しでも良好な職場環境が実現されることが、
何よりも紛争を未然に防ぐことに繋がると信じています。